スモール!!
「こらっ、そこ!なーにコソコソとオレの悪口言ってんだよ」
そう言いながら、私の頭に手をのせる藤沢。
「きゃ〜っ!陸先生!」
「和葉ずるぅーい!!」
ゾッワーーーッ
本当にそんな効果音が聞こえるくらいに、一気に鳥肌がたった。
……のと同時に、バシッ……という音も響く。
私が藤沢の手を叩いた音。
その音が鳴り響いた瞬間、黄色い声で騒がしかった教室は、しんと静まりかえった。
「私に触らないでもらえますか、藤沢先生。」
……私がコイツを気に入らない、最大の理由……それは、
スキンシップが多すぎる!!
今みたいに生徒の頭撫でたりするし、抱きついてきた生徒には抱きつかれたままだし、しかもタメ口!!
コイツ、絶対女好きじゃん!!
そう確信した奴と、同じ空気を吸ってるだけでもおぞましいッ!!
ギロッと藤沢を睨んで、席を立って、教室をあとにしようとする私。
窓側の一番後ろの席なので、教室のドアまでの距離がちょっと遠くて嫌になる。
ドアに行くまでの間、蘭とアヤが何故か必死に弁解してたけど、気にせずドアに手をかけた。
「和葉」