ただ風のように
「夏々海のさっきの相手は去年、県の最優秀選手に選ばれた子よ。都道府県選抜にも選ばれてるわ」
私、そんなにすごい人に褒められたんだ。なんかすごく嬉しい。
「すごい人なんですね!!」
「あなたはその子をあっさり抜いたのよ。それなり以上の才能があるわ」
「才能なんてありませんよ。偶然です」
私は焦って否定した。
「とにかく今日はゲームまでは男子のマネージャーをしてて」
「はい!!」
私は走って男子のコートに行った。
「うちの主将を1年で抜くなんて。夏々海の将来が楽しみね」
1on1、もっと色んな人とやりたかったな。
私はぼんやりしながら1on1を眺めていた。
「あれ?夏々海ちゃん?」