ただ風のように


「へぇ〜。海頼先輩は優しいんだぁ」


その会話に入ってきたのはやっぱり渚さんだった。


「誤解の無いように言っておくけど、俺は昨日の夜はソファーに寝て夏々海は俺のベッドに寝た。だから何もないし、夏々海には昨日2週間ぶりに逢った」


「夏々海ちゃん、海頼はいつでも優しいのよねぇ?」


「はい。先輩は仲間想いですし、ちゃんと話を聞いてくれます。昨日も急に逢いたいと言った私を迎えに来てくれました」


私は先輩の彼女のフリをしながら先輩のお母さんの質問に答えた。


「そっちか」


「だから言っただろ」


何故か悔しそうな顔をする渚さんと勝ち誇った顔をする先輩が面白かった。


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