ただ風のように
「岬さんって怖いんですね」
「そうかな?でも兄妹の中で1番怖いのは渚兄ぃだよ」
私達は部屋に戻って先輩の兄妹の話をしていた。
「そうなんですか?」
「うん。岬兄ぃは1番優しいと思うよ。普段はあんな感じで岬兄ぃが強いけど、いざっていうときは渚兄ぃが1番頼りになるしね」
「全然、そう見えないです」
「脳ある鷹は爪を隠すからね。いざってときがあれば分かると思うよ。はい、着替えとタオル。風呂場は階段降りて奥だから」
先輩は私にタオルと着替えを渡してそう言った。
「ありがとうございます」
お礼を言って私は先輩の部屋を出てお風呂場に向かった。