ただ風のように


「岬さんって怖いんですね」


「そうかな?でも兄妹の中で1番怖いのは渚兄ぃだよ」


私達は部屋に戻って先輩の兄妹の話をしていた。


「そうなんですか?」


「うん。岬兄ぃは1番優しいと思うよ。普段はあんな感じで岬兄ぃが強いけど、いざっていうときは渚兄ぃが1番頼りになるしね」


「全然、そう見えないです」


「脳ある鷹は爪を隠すからね。いざってときがあれば分かると思うよ。はい、着替えとタオル。風呂場は階段降りて奥だから」


先輩は私にタオルと着替えを渡してそう言った。


「ありがとうございます」


お礼を言って私は先輩の部屋を出てお風呂場に向かった。


< 113 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop