ただ風のように


「お待たせ」


先輩はそう言いながら昨日とは違うバイクを押して来た。


「大きいバイクですね。シャドー?」


バイクにはそう書いてあった。


「うん。HONDAのshadow750っていうんだ。ナナハンってヤツだよ


「750ccって大型のはずじゃ……」


私が心配そうな顔をして言うと海頼先輩は自分の口に指を当ててこう言った。


「みんなには内緒だよ」


私は頷いた。それ見て海頼先輩は私にヘルメットを渡した。


「ちゃんと被ってて。捕まったらいろいろめんどくさくなるから」


「分かりました」


私がヘルメットを被ったのを確認すると先輩は後ろに乗るように促した。


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