ただ風のように
turning point
「じゃあ、行くか」
私が乗ると先輩もシートを跨ぎそう言ったので私は頷いた。
「昨日みたいにちゃんと掴まっててね」
先輩はそう言って前を向き、エンジンをかけるとバイクは動き出した。
バイクは一気にスピードを上げて走った。風がとても心地よかった。
しばらく走るとバイクは国道を抜けて両側が木に囲まれた道を走った。
その道を15分ほど走ると先輩はバイクを止めた。
「降りていいよ。着いてきて」
私は言われた通りに後ろを着いていった。人が1人ようやく通れるような道を歩いているとようやく出口が見えた。
「最初はこの場所」
細道を抜けると先輩は振り向いて笑った。