ただ風のように
「これ。君が昨日着てた服。洗ったから」
「ありがとうございます。この服、いつ返せばいいですか?」
「そのうちにでも。あげてもいいと思ってるしね。何かの縁があったら」
「分かりました。お世話になりました。じゃあ」
私がそう言って門を通ろうとした時、先輩が言った。
「いつでも、連絡していいから!!1人で溜め込んで悩むなよ!!」
私は微笑んで頭を下げ、家の中に入った。
この1日と少しの出来事が私にとって、大きな転機となった。