ただ風のように
「知沙都、お前バカだな」
「なにそれ?授業中、寝てばっかりの海頼に言われたくない」
「授業中寝てる俺の方が勉強できてるよ。真面目に考えろよ」
「真面目に考えてるよ」
楽しそうに知沙都先輩と話す海頼先輩を見てなんだか胸が苦しくなった。
「お疲れ。青藍の主将来たよ。青藍の主将はなんと夏々海です」
コーチが楽しそうに話す2人の間に割って入り、私が入りやすい空気をつくってくれた。
「失礼します。青藍高校バスケ部主将の藤原夏々海です。知沙都先輩、海頼先輩、お久しぶりです」
「夏々海ちゃん、久しぶり」
知沙都先輩が笑顔で言ってくれて、海頼先輩はペコッと会釈をしてくれた。
「さぁ夏々海、座って。話し合い始めよう」