ただ風のように
「コーチ、お疲れさまです」
「お疲れ。どれどれ、練習メニューは……良い感じかな。合宿らしくてどれもキツい練習だね」
コーチは笑顔でそう言い、椅子に座った。
「合宿は8月5日から8日まで。場所は西高の体育館で合宿所に泊まります。3日は9時に西高の体育館に集合ね。夏々海は青藍の部員に伝えておいて」
「分かりました。」
「連絡事項は以上かな。知沙都はこのあと職員室で手伝って欲しいことがあるから残って。海頼と夏々海は用事がなければ帰っていいよ。じゃあ、お疲れさま」
コーチと知沙都先輩が会議室から出ていき、私も帰り支度を始めた。
「このあと時間ある?」
「ありますよ」
「じゃあ、少し話そう?さっき、君が言いかけたことを聞きたい」