ただ風のように
「はい、分かりました。どこで話しますか?」
「俺の家来る?」
「家、行っていいんですか?」
「いいよ。兄貴とかいても大丈夫ならだけど」
「あ、大丈夫です」
「それじゃ、行こっか」
私と海頼先輩は会議室を出て海頼先輩の家までの道を歩き出した。
「先輩は強くて優しいですよね」
私は歩きながらずっと思っていたことを先輩に言った。
「そうかな?」
「はい。先輩みたいに強くて優しい人になりたいです」
「仮に俺が強くて優しかったとしたら、君もなれるはずだよ」
「それってどういう……「あ、家着いちゃった。とりあえず中入って」
先輩の言葉を疑問に思ったまま先輩に促されて、家の中に入った。
「お邪魔します」