ただ風のように
「夏々海ちゃん!!いらっしゃい」
入ってすぐ先輩のお母さんが笑顔で迎えてくれた。
「こんにちは。お久しぶりです」
「礼儀正しいのねぇ。そんなに気を使わなくていいのよ。さ、あがってちょうだい」
私は先輩のお母さんに頭を下げ家の中に入った。そのあとに海頼先輩が続いた。
「ただいま、母さん。兄貴らと南央は?」
「おかえり。リビングにいるわよ。声かけていったら?」
「そうする。夏々海もおいで」
私は先輩の後を着いていき、リビングに向かった。
「兄貴ぃ、南央。ただいま、夏々海来たよ」
そう言って先輩は私の手を引きリビングに入れた。
「久しぶりです」
私はペコッと頭を下げた。
「おー!!夏々海ちゃん、久しぶりだね。制服姿も可愛い!!」
私はさっそく渚さんに声をかけられた。
「兄さん、怒りますよ。夏々海さんは海頼の彼女なんだから、そう馴れ馴れしくしない」
岬さんは相変わらず冷静で渚さんに注意した。
「夏々海さん、久しぶり」
「南央ちゃん、久しぶり」
「夏々海、俺の部屋行こう」
一通り挨拶すると海頼先輩はそう言った。