ただ風のように
「あの、海頼先輩に少し聞いたんですけど……。海頼先輩、あんなに上手なのに中学のときバスケしてなかったんですよね?」
私はゲームの間からずっと気になっていたことを聞いた。
「うん、そうだよ。正確にはバスケ部じゃなかっただけでバスケ自体はしてた」
「部活じゃなかったってどこでやってたんですか?」
「ストリートバスケ。海頼はそこで賭けバスケのプレイヤーだったんだ」
「……賭けバスケ?」
ストリートバスケは聞いたことあるけど賭けバスケは聞いたことはなかった。
「試合する2チームのうち、勝つと思う方に観衆がお金を賭けるんだ。負けた方に賭けたお金は戻ってこないけど勝った方に賭けたお金は増えて戻ってくる。勝ったチームにもお金が入る。海頼はそこのトッププレイヤーだったんだ」
「そうなんですか」