ただ風のように
「ナイッシュ!!雅サン」
俺は雅サンに声をかけてコートを走る。
「海頼、大丈夫か?」
雅サンが声をかけてくれた。
「大丈夫っすよ。いつものことですから」
「そうか。どんどん攻めてけよ」
「分かりました!!」
ディフェンスでも俺はマークされ続け、きつく当たられたりひどいラフプレーをくらった。
ハーフタイムになったときには、俺の体はもうボロボロだった。
「海頼、傷の具合は?」
雅サンが聞いてきた。
「全然、平気です。そんなことより点稼げなくてすいません」
「気にすんな。まだ15点差で勝ってる。それより、お前の傷の具合だ」
「これくらい大丈夫ですから。そろそろ、始まりますね。行きましょう」
俺はそう言って、コートに出た。