ただ風のように


「自信持ちなよー。夏々海は男子に勝てるくらい上手なんだから。私より上手だよ」


「もし上手だったとしても強くないですもん。亜美先輩の方が断然、強いですよ」


亜美先輩が怪訝そうに私の顔を覗きこんだ。


「夏々海?何かあったの?」


「何にもないですよ。でも私が強くないのは事実ですから」


亜美先輩はそれ以上、何も聞かず『何でも言いなよ』と頭を撫でてくれた。


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