ただ風のように


「コーチ、いいんですか?」


「何が?」


「夏々海ちゃんは私に勝てるくらい実力あるのに。1年とやらせたら余裕で勝っちゃいますよ?」


「いいのよ。遊汰に聞いたんだけど夏々海ね、中学のころ試合にでたことないんだって。だから同学年の実力を知らないのよね。同学年の実力を知れば少しは自信がつくんじゃないかと思って」


「試合に出たことないって。あんなに上手なのにですか?」


「遊汰が本人から聞いたらしいから本当よ。遊汰は理由まで教えてくれなかったけどね」


「そうなんですか。じゃあ、今日の練習で夏々海ちゃんに自信がつくといいですね」


「そうね。コートのなかは任せたよ、主将サン」


「はい!!」


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