ただ風のように
キュッキュッ。
ドンドンドンドン。
「オフェンス!!動かなきゃ進めないよ!!ディフェンス!!ハンズアップとプレッシャーしっかり!!」
コーチの指導が大声で飛ぶなか私は先輩相手にシュートを狙っていた。『ボールを持ったらゴールを見ろ』それが中学のころコーチに教わったことだった。
ハーフコートの1on1なのでセンターの私にとっては有利だった。
ボールを床につけた瞬間、弾むことを想定して右手を出し右側に進む体勢を整えた。
ボールが跳ね返ってきた瞬間に右に進んで一瞬で左に切り返した。
それでも、相手は強豪校の3年。反応してついてきた。しかし、制限区域まで進んだ私はフェイクを交えてボールをゴール目掛けて押し出した。
ボールはバックボードに当たりゴールに吸い込まれた。