ただ風のように
私は血で汚れた服を脱ぎ、先輩が置いていってくれた服を着た。
脱いだ服から財布と携帯を取り携帯を開くと大量に着信が来ていて履歴はすべて、兄2人からだった。
「着替えた?入ってもいい?」
「はい」
「やっぱり、でかかったか。まぁ着れればいいか。事情を聞きたいんだけど……携帯、鳴ってるよ?」
海頼先輩の話の途中で翔くんから電話がかかってきた。
「……」
私がどうするべきか困っていると海頼先輩がこう言った。
「家族ならとりあえず出た方がいいよ。いざとなったらフォローするから」
とりあえず私は電話に出た。
「……はい」