小話の寄せ集め
side生徒会。
六組を並ばせている彼女は、ステージから見るとちょこまかしていて。
それが実に愛らしい。実に癒される。
と、会長の羽根田 晴空は思っていた。
「毎度の事ながら…。癒されるよね、ヒンちゃんって」
どうやらそれは会長だけでは無いようで。
会長の隣に座る副会長・水無月 凌もまた、彼女を見ていたようだ。
「……いつも冷静沈着、むしろ非道・冷酷な水無月サマとは思えない好評価だな、凌」
「なに、文句あるわけ?晴空だっていつも見てるよね。てか、ヒンちゃんだけに優しいし?
女だろうと利用し、あげくに捨てて泣かせる腹黒とは思えなくない?
ねえ、会長サ・マ?」
生徒会一、怒らせてはならない二人がにらみ合う。
一気に気温は氷点下に。
『おーいセイカくーん、シノくーん? 六組は欠席無しの準備完了っスよー?
そして、他の委員長方が怖くて固まっちゃってるよーん。
笑顔、笑顔ー』
彼女の声にステージ下を見れば、怖いやら戸惑いやらで固まる一年〜三年の委員長たち。
きっと彼女が居なければ、誰一人として二人に話しかけられはしなかっただろう。
彼女が報告を終えれば矢継ぎ早に、
『二年一組、欠席ありません!』
『一年三組、同じくありません!』
と報告する。
きっと彼女以外の委員長たちは、心の中で彼女に『ナイス!ヒンちゃん、ありがとう!』と思っていることだろう。
「……全クラス、欠席無し。
じゃあ挨拶始めてよ、晴空」
傍観していた会計の瀬野尾 数奇が呟いた。
『―――これより、白雪学園高等部、生徒総会を開催する―――』