小話の寄せ集め



いままで黙っていたスイたちのお父さん・燎(りょう)さんがポツリと呟いた。


「僕たちも娘欲しい。閑久ちゃん、お嫁においで」


…いやいやいや。
どんな勧誘ですか。


「いい考えね、燎くん。どう?閑久ちゃん。
息子は五人いるし、好きなの選んで。 一人でも二人でも」


「えー…ちょ、エマさん…。しかも一人はいいとして二人って…
と言いますか、私はあの学園で彼氏が出来る気がしないでーす」


「あら、それはどうして?一応男の子の方が多いわよね?」


「確かにかなりかたよった人数だけど…
だって私一般人だしー。みーんなお坊っちゃまだし!
無理無理無理。私は普通の人で探すー」

「あらまぁ欲の無い子(……不憫な私の息子たち…)」

「えー…しーちゃんと結婚シタイ」


「おー…っと。爆弾発言だね、ヨウ君」


「黒曜テメェ…」


「ちょ、何怒ってるのさスイくん…」



「ワシとしては瑪瑙たちの中から婿を選んでくれれば諸手を挙げて祝うんだがな…
すぐにでも挙式あげるぞ」

「一番円満に解決する方法ね。わたくしは賛成よ。明日にでも籍入れなさいな」


「じいちゃん、ばあちゃん…大分失念されているようですが、私は未だ高二だよん!早い早い早い」



気が早すぎじゃあー。
それに無駄に美形なイトコたちだし、横に並ぶ私が不憫じゃん!

一番上の瑪瑙くんは爽やかなお兄さんだし、真珠くんはまるで王子様。いや、王子様そのもの。

スイくんだってかっこいい。不良みたいだけど。

ヨウくんは静かな美少年だし、瑠璃くんはまぁ、可愛い系?歳も歳だし。


選ぶとか贅沢過ぎる!
< 38 / 49 >

この作品をシェア

pagetop