バレンタイン・プロミス
「待ってよ。俺も行く」
「は?なんで」
「いいじゃん。別に」
朝日はニッコリと笑いながら言った。
「勝手にすれば」
朝日は放っとくことに決めた。
その内いなくなるだろう。
保育園の門にお世話になっているみなみ先生を見つけた。
「こんにちは」
「こんにちは。いつもご苦労様。ちょっと待ってね。ヒロくん呼んでくるから」
「すいません。ありがとうございます」
私は頭を下げると先生の入って行った部屋の方を見つめた。
「まあ千代子ちゃん、こんにちは」
「園長先生っ、こんにちは」
園長先生はフフッと笑いながら視線を朝日に向けた。
そういえばこの男がいた。
ニコニコと愛想を振り撒いていやがる。
「千代子ちゃんの彼氏さん?青春ねぇ」
「違います!」
「どーも。千代子さんのクラスメートでいずれ彼氏になる予定の朝日智弘です」
「あら」と園長先生は私を見てニコニコと笑った。
そんな私は朝日を睨みつけている。
気安く呼ぶな。
「千代子お姉ちゃんッ」