バレンタイン・プロミス
「なにいってんの?それは裕之も一緒にいるからだよ」
「ちがう。ちがうもん。千代子お姉ちゃん、ひろといるとき、つまんなそうだもん。きっとひろのこときらいなんだ」
裕之は首を振りながら言った。
裕之が自分のことをひろと呼ぶとき、必ず寂しいときだ。
両親が残業で帰ってこない夜。
私が遅くまで友達と遊んでて帰ったとき。
急用で私がでかけなきゃいけないとき。
裕之は必ず自分のことをひろと呼ぶ。
でもなんで今?
「裕之ぃ、ちょっとそこの公園で遊ぼうか」
朝日が突然言った。
「ふぇ?公園?」
「そっ。行く?」
「行く!」
「じゃ行こ」
朝日はまたニコッと笑って裕之の手を引っ張った。
公園って…。