バレンタイン・プロミス
「じぶんほめゲームってなに?」
裕之が朝日にきいた。
そうだ。意味がわからない。
「自分が良いことしたって思ったときチョコレートを一粒食べんだ。で、期限までチョコレート十二粒ぜんぶ食べ切れば勝ち。簡単だろ?」
「うんっ」
「でもなんでそんなことするのよ」
「裕之はさぁ、姉ちゃんが自分のこと嫌いじゃないかって思うんだろ?でもさ、姉ちゃんだってチョコレートぜんぶ食べ切れるような人は好きだと思うだろ?」
「うん」
「だったらチョコレート食べ切ってみようよ。そうすれば自信つくだろ?」
「うんっ」
「ちょっと待って。私は裕之のこと大好きだよ?」
私は裕之に言い聞かせた。
「……」
裕之は俯いてしまった。