バレンタイン・プロミス


「じぶんほめゲームってなに?」

裕之が朝日にきいた。

そうだ。意味がわからない。

「自分が良いことしたって思ったときチョコレートを一粒食べんだ。で、期限までチョコレート十二粒ぜんぶ食べ切れば勝ち。簡単だろ?」

「うんっ」

「でもなんでそんなことするのよ」

「裕之はさぁ、姉ちゃんが自分のこと嫌いじゃないかって思うんだろ?でもさ、姉ちゃんだってチョコレートぜんぶ食べ切れるような人は好きだと思うだろ?」

「うん」

「だったらチョコレート食べ切ってみようよ。そうすれば自信つくだろ?」

「うんっ」

「ちょっと待って。私は裕之のこと大好きだよ?」

私は裕之に言い聞かせた。

「……」

裕之は俯いてしまった。


< 19 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop