バレンタイン・プロミス


「天井さん、裕之はそんな単純じゃないと思うぜ。裕之になにがあったかなんて知らないが、話を聞いてると、裕之は自分に自信がないんだ。大好きな姉ちゃんの言葉でも信じられない。これもすっごい単純な方法だけど、意外と自分で自分を褒めるって自信つくんだよ」

裕之に聞こえないように言うと朝日は優しく微笑んだ。

「…………わかった。でもなんで私まで」

「実は、千代子ちゃんも自分に自信がないんじゃない?」

「っ、そんなこと、」

「あると思うよ。だって、天井さん、さっきから視線を合わそうとしない」

「…」

「やってみようよ」

突然、裕之が私の制服の袖を引っ張って言った。

「…しょうがなくだから」

「じゃ約束ね」

「うん」

私は朝日の目を見て言うと朝日は苦笑いした。

そんなことない。自分に言い聞かした。


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