バレンタイン・プロミス
先に曲がり角が見えた。
そこは曲がってすぐに分かれ道がある。
あそこで撒こう。
どんどん足を速める。
朝日も負けずについて来る。
しかも軽くスキップしながら。
でも少しでも差が付けられればいい。
曲がり角が近くなる。
私は一気に足を速くする。
朝日は少し驚いたように目を丸くした。
そしてニヤッと笑うと追いついてこようとする。
ここまできてこの機会を逃すものか。
私は走り出して角を曲がり、そのまま右に曲がった。
もう目的地が見えている。
「はあ…撒いた?」
「ううん」ニコッ
「げっ」