バレンタイン・プロミス


「で、どこに向かってんの?」

朝日はニッコリと笑って言った。
「…………そこ」

私は仕方なしに指差した。





「………保育園?」


「そっ」

「なんで?まさか隠し子!?」

朝日が目を真ん丸くする。

「そんな訳ないでしょ。弟よ」

「なんだぁ。コクった瞬間、隠し子発覚かと思っちゃったよ」

「馬鹿じゃないの?」

白い目で朝日を見る。

朝日はごまかすように笑った。

「でも弟くんなんていたんだね。なんか意外〜。しかも保育園児」

「とにかく迎えにいかなきゃいけないから急いでるの」

そう朝日に言うと私は足早に保育園に向かった。


< 9 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop