バレンタイン・プロミス
「で、どこに向かってんの?」
朝日はニッコリと笑って言った。
「…………そこ」
私は仕方なしに指差した。
「………保育園?」
「そっ」
「なんで?まさか隠し子!?」
朝日が目を真ん丸くする。
「そんな訳ないでしょ。弟よ」
「なんだぁ。コクった瞬間、隠し子発覚かと思っちゃったよ」
「馬鹿じゃないの?」
白い目で朝日を見る。
朝日はごまかすように笑った。
「でも弟くんなんていたんだね。なんか意外〜。しかも保育園児」
「とにかく迎えにいかなきゃいけないから急いでるの」
そう朝日に言うと私は足早に保育園に向かった。