ちいさなたからもの
「いつも、何して遊んでんだ。お前」



気を取り直して尋ねる。



「えっとね・・・」



すこし考える。



「・・・サッカー」



「待て」



どう考えても、幼稚園の女の子がする遊びじゃない。



しかも、列車の中じゃできない。



ついでに言うと、ボールもない。



「サッカーは無理だ、他の遊びを考えろ」



「えっとね・・・」



また、少し考える。



「かめんローダーごっこ」



「それも待て」



それは男の子向けの特撮アニメだ。



「何で、お前はそんなもんに興味持つんだよ・・・」



「?」



「男の子みたいな趣味してんのな・・・」



もっと他に、女の子が好きそうなアニメなんかあるだろうに・・・



「まあいいや。それならやってやるけど」



「ほんと?」



「ああ。でも、大騒ぎとかはできないからな」



しばらく、怪人の役をやらされた。



怪人なんかも、色々ヘンなのがいるらしい。



自分の古い記憶を掘り起こして、そのギャップに驚く。



これをジェネレーションギャップと言うのだろうか・・・



若いうちから嫌な感覚を味わってしまった。


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