ちいさなたからもの
「『バカね・・・っ!』



弟を、抱きしめて。



『こんな、あんたに冷たいだけのお姉ちゃんのために、こんなに汚れて・・・っ!』



涙を流しながら、言った。



『ごめんね・・・今まで冷たくして。お姉ちゃん、バカだね・・・』



ううん、と弟は言った。



『あんたは、寂しかったんだね・・・』



うん、と頷く。



『あたしには、あんたがいるんだね。お母さんがいなくても、あんたが、いるんだよね』



少女は四葉のクローバーを受け取り・・・



『ありがとう・・・大事にするね』



笑顔で、そう言った。



弟はそれが、とても嬉しかった。



その笑顔のために、頑張ったのだから。



それからは、家族3人で、幸せな生活を取り戻した。



穏やかな生活を。



・・・楽しい日々を。



今度は、父親と、少女と、弟の3人で」



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