ハーレムプリンセス

『……鬼畜野郎』




葵さんにたっぷりと殺意を込めてそう言った。





「何か言った?」


『い、いえ!!何も!!』




が、やはりチキンなアタシは、小声でしか言えなかった。





だって、あの葵さんが絶対零度の笑みを向けるから……。






『てか、ゲームはどうなったんですか?アタシ何にも分かんないんですけど…』


「…ゲーム?そんなのとっくに終わってるよ」


『はっ!?…えぇ、じゃあ、皆何で来ないんですか?』





いつもなら絶対来るのに……。
おかしい…。




「来なくて当たり前だろ…全員、縛って捕まえてんだから。って、言っても捕まえたのは俺じゃないけどね」


『はっ!?』





なななな、何ですとー!?
…皆が捕まってる??





マジでか!?本当に捕まってんの!?
てか、あんた等アタシの護衛だよね?護衛が捕まってどうすんのよ!!




てか、学園長!!やっぱり、頼む人間違ってるよ!!
あんたが人を見る目が無いってこと、今日再確認したよ。






『縛ってるって…じゃあ皆はどこにいるんですか?』


「………さあ?多分、体育館じゃない?」


『体育館…why??』


「………ちっ」


『す、すすみません…!!』





本当にすみません!!
会話がスムーズだから気づかずスルーしてくれちゃうかな?なんて調子に乗っちゃいました!!
チャレンジ精神が炸裂してしまいました!!





なんて、心の中で必死に謝るが、葵さんの絶対零度の笑みは消えない…。





ひぃぃぃぃ〜!!
怖い………。