ハーレムプリンセス
「と…まぁ、あの世に送りたいのはやまやまなんだが、今はそんな暇ねぇんだよ。だから、また今度な」
落ち着いた口調の詩さん。
『………』
また今度って……。
………いつか確実にアタシはあの世に葬られること間違いない。
「てことで、行くか」
『…え?どこに?』
「馬鹿双子ー」
葵さんが、扉に向けて、そう呼ぶ。
「「なーにー?あおりん♪」」
「………死ね」
扉の向こうからテンションMAXな双子が出てきた。
やっぱりいつ見ても美少女…。
いや、美少年って言っといた方がいいかな…?
「コイツを体育館に連れてけ」
「「アイアイサー!!!」」
詩さんがそう言われて、返事をした双子がアタシの両腕を掴み身体ごと持ち上げた。
『えぇ…また!?』
またこのパターン!?
アタシ普通に歩けるんだけど…。てか、腕めっちゃ痛っ!!!
重力半端ないんだけど!!!!
『い、痛い!!腕もげる!!…お願いですから歩かせて下さいぃぃい!!』
アタシって、つくづくツイてない…。