ハーレムプリンセス
「まったく…キーキー煩いよ野猿共」
そう言いながら、舞台袖から出てきた葵さん。
だるそうに歩いてくる葵さん。
顔に鬱陶しいって書いてある。
「はぁ!?僕のこと言ってんの!?勘弁してよ、野猿は舜と隼人だけにしてくんない?」
葵さんの言葉に反抗して、紫苑君も負けじと言い返す。
縄が解けないことに、さらにイライラが増してるのか、目が据わっている。
「俺も野猿かよ〜、冗談じゃねぇのよ。どっちかと言うと、俺は猿より逞しいライオンだろうがよ〜」
それに続き、隼人の意味の分からない反抗。
猿じゃなくてライオン?
そうゆう次元?なんか…いや、だいぶ違くね?
そう思ったけど、隼人だから別にどうでもいいや。
てか、問題は…――
「えっ、ちょっと?俺何にも言ってなくね!?雨宮さん関係無くね?」
そう、被害者雨宮氏。
可哀相に…。
雨宮氏、今回静かにしてたのにね?いい子にしてたのにね?
君の仲間はきっと、君を嫌いなんだよ。
落ち込んだ舜はその場に、“の"の字を書いている。
体内からが負のオーラが出てるよ。
それに比べて、颯太さんなんかもう、コイツ等の世話を放棄して知らん顔しちゃってるし。
颯太さん以外に誰が世話するの!?
しかも、どうゆう神経してんだか分かんないけど、こんな煩い中で琉衣は寝てるし。
ありえないよね。もう一回言うけど、本当どうゆう神経してんだろうね?
今では、生徒会に捕まるなんて嫌だったけど、なんか今、ものすごく捕まりたい気分…。