ハーレムプリンセス
「いらっしゃい…待ってたよ」
学園長が優しく微笑む。
なんて雰囲気なんだろう…。
目の前にいるその人を見て思った。
微笑んだ顔はとても柔らかく暖かい。
でも、決して自分の意志を揺るがさない…
そんな目をしている。
アタシは彼に纏わり付くそのオーラに
圧倒されてしまった。
“威厳”…そう。
まさにこの言葉がピッタリ。
さっきは遠くからしか見れなかったから、ダンディな人だな〜。
くらいにしか思ってなかった。
こんなにも貫禄があるなんて…驚いた。
だけど、容姿はまだまだ高校生くらいに見える。
「わざわざ呼んでごめんね?」
学園長は眉を垂らしながら謝る。
『いえ!!そんな!全然!!』
むしろクラス分からなかったんでちょうど良かったです!!
「ははっ、元気がいいね…姫菜ちゃん」
そうアタシの名前を懐かしむように…
いかにも大事かのように…
そんな気持ちが含んだように呼んだ。
何か遠く昔の事を思い出しているような…
そんな言い方で―――。