ハーレムプリンセス
次に自己紹介してきたのは無口で眠そうな人。
「…花岡琉衣」
それだけ言ってまた口を閉じて眠り始めた。
え?そんだけ??
クラスは?何て呼べばいいの??
てか、めっちゃ顔綺麗!!
サラサラな黒髪に灰色の綺麗な瞳。
多分この人の事を美形って言うんだと思う。
本当に綺麗な顔…。
「全く琉衣は!!」
「うるさい…眠れない」
そう言って彼の代わりに話すのは天使みたいな子。
ぬぁあっ!!反則だよソレ!ちょこんと首を傾げながら謝る姿にキュンキュンしちゃうよ!!なんて可愛いんだ君!!
「僕は楠木紫苑!紫苑って呼んで!!この睡眠野郎なのは琉衣でいいから!!」
ニコッと天使のスマイルをこちらに向ける。
それはもう女の子よりも可愛い笑顔で。
あぁ神よ…。
あなたはどうして私にこんな酷い仕打ちをするのですか?
世の中不公平すぎではありませんか??
自分がみすぼらしくなるんですけど…。
私は天使みたいな紫苑君に精神的ダメージを食らわされた。