ハーレムプリンセス
◇ ◇ ◇ ◇
『あ〜、スッキリした!!』
女子トイレを出ながらアタシは言う。
…―ドンッ
『す、すいません!!』
来た道を歩いていたら突然ドンッと誰かとぶつかった。
『あ!!』
下を見ると相手の足元にはたくさんの物がちらばっている。
ぶつかった勢いで相手の持ち物が散乱してしまったみたいだ。
『ご、ごめんなさい!!』
「チッ…」
ぶつかった相手は舌打ちしながら散らばった物を片す。
うぅぅ…すみません。
「…柏木姫菜」
相手はボソッと小さい声で囁いた。
『へ??』
今、何か言ってなかった?
気のせいかな??
『ほ、本当にすみませんでした!!!』
拾い終わっている相手にもう一度アタシは頭を下げた。
「…」
アタシが謝ってもその人は何もいわず無言で歩いて行った。
終始シカトだったよ…。
てか、早く戻らなきゃ!!
アタシのチョコレートが食べられちゃう!!!
…――――――――
「ククク…これから楽しみだ…」
その場を立ち去った後…
アタシの背中を見ながら愉快そうに笑ってるてたなんてアタシは全く気づくはずがなかった。