ハーレムプリンセス
…あの後、紫苑君から地獄のような質問の嵐にあったのは言うまでもない。
紫苑君には関係無いじゃ〜ん。
なんて、心で思ってたつもりなんだけど、無意識に口に出ていたらしく、さらに紫苑君から容赦無いお説教がアタシにお見舞いされた。
お陰でうんざりってかグッタリ…。
しかも、あっという間に放課後になっちゃったし。
よし!帰ろ。
アタシは鞄を肩にかけ自分の椅子から腰を上げた。
それと同時に、舜も自分の椅子から腰を上げた。
「俺も一緒に帰るかなー」
なんて隼人みたいに間延びした話し方で言う。
『あ、うん。じゃぁ一緒に帰ろっか!』
アタシ達は身長差のすごい肩を並べて教室を出た。
……そして、アタシは放課後という時間を油断していた。
「何だよコレ」
舜がいつもより低く真剣な声で言う。
『……』
「……おい」
『……』
何も答えないアタシ…。
てか、ビックリし過ぎて言葉が出ないって方が正しいけど。
だって…舜の手には今朝にも見た“黒い手紙”が握られているのだから。
「もう一度だけ聞く…コレは何だ?」
最後だと言わんばかりにアタシに脅しをかけてくる。
『……エヘッ』
数秒シカトを決め込んだ。
が、チキンなアタシにはこの空気に堪えられず最後は笑ってごまかしてみた。