ハーレムプリンセス

「アンタが柏木姫菜?」



突然名前を呼ばれて肩がビクッと上下した。



目の前には制服を着た男子生徒が2人。




部屋が薄暗いせいか顔がハッキリ見えない。



それが、さらに嫌悪感を増す。




『あなた達は…?』

「こっちが質問してるのに質問で返さないでくれない?会話にならない」

『…す、すいません…』



すごく冷たくてトゲトゲした喋り方。




「やめとけ、葵。おい、お前」

『…は、はい…』



嫌な予感がする…。



「俺達、ちゃんとお前に忠告したよな??」

『え?』



――忠告??何それ??



「L.A…この名前に聞き覚えあるでしょ??」




柔らかい口調だけど言葉から感情が感じられない。




―――“L.A”



ってことは、この人達は…



『…生徒会…?』



女嫌いの。




「そういうこと。あ、自己紹介して無かったね。俺は、城矢葵(シロヤアオイ)。で、こっちが会長の搭崎詩(トウザキウタ)」

『柏木姫菜です…あ、あの、葵さん…忠告って、アタシにこの学園から出ていけっていうやつですよね??』

「そう、てか、知ってるんだ。全然出て行かないから読んでないかと思ってたよ」

『え…いや…』

「俺らも、無理矢理追い出したくねぇんだよ。…だから、選ばさせてやるよ。荷物まとめてとっとと出ていくか……」
















「人生無茶苦茶にされるか…」





< 54 / 121 >

この作品をシェア

pagetop