ハーレムプリンセス
「アンタが柏木姫菜?」
突然名前を呼ばれて肩がビクッと上下した。
目の前には制服を着た男子生徒が2人。
部屋が薄暗いせいか顔がハッキリ見えない。
それが、さらに嫌悪感を増す。
『あなた達は…?』
「こっちが質問してるのに質問で返さないでくれない?会話にならない」
『…す、すいません…』
すごく冷たくてトゲトゲした喋り方。
「やめとけ、葵。おい、お前」
『…は、はい…』
嫌な予感がする…。
「俺達、ちゃんとお前に忠告したよな??」
『え?』
――忠告??何それ??
「L.A…この名前に聞き覚えあるでしょ??」
柔らかい口調だけど言葉から感情が感じられない。
―――“L.A”
ってことは、この人達は…
『…生徒会…?』
女嫌いの。
「そういうこと。あ、自己紹介して無かったね。俺は、城矢葵(シロヤアオイ)。で、こっちが会長の搭崎詩(トウザキウタ)」
『柏木姫菜です…あ、あの、葵さん…忠告って、アタシにこの学園から出ていけっていうやつですよね??』
「そう、てか、知ってるんだ。全然出て行かないから読んでないかと思ってたよ」
『え…いや…』
「俺らも、無理矢理追い出したくねぇんだよ。…だから、選ばさせてやるよ。荷物まとめてとっとと出ていくか……」
「人生無茶苦茶にされるか…」