ハーレムプリンセス
「フッ…残念だったね?アンタはもう逃げられない。あ…叫んでもいいよ?どうせ、誰も来ないから…クスッ」
恥ずかしいけど、アタシは処女だ。
だから、こんな奴らにアタシの初めてを捧げる訳にはいかない。
『叫ばないわよ…』
叫ばなくても皆は必ず助けに来てくれるから大丈夫!
「へぇ…つまんないね、怯え叫ぶところが楽しいのに」
そう言って、喉をククと鳴らした。
…―バシンッ。
「なっ!?」
気付いたらアタシは、葵さんの頬を、力一杯叩いていた。
目の前では、葵さんが、これでもかって、くらい目を見開いてる。
だけど、今のアタシにはそんなこと、気にも留めない。
言葉や感情より手が先に出てしまった。
怒りでどうにかなりそうだ。
『どう!?これで楽しい!?叩かれて楽しかった!?』
「おまっ!!」
『楽しく無いよね?…アタシも同じ、全然楽しくない。あなた達が、何で女嫌いなのかなんて、そんなの知らない』
二人共黙り込んでいる。
だから、アタシは続ける。
『嫌な思い出があったからって、女だけを毛嫌いするのはどうかと思う。アタシは気にしないよ?…まぁ、不愉快なのは変わらないけどね!!だけど……』
…―ガンっ!!!
「姫!!!!!」
言い終わる前に扉が開き。皆が荒々しく中に入ってくる。
ふふっ、やっぱり来てくれた。
皆は、空気を察してくれたのか、入り口で足を止めている。
本当は今すぐにでも皆の側に行きたい。
だけど…どうしても言いたいことがあるの。
『お願いだから…自分を傷つけるようなことはしないで??』
そんなことしても、傷は癒えないでしょ??
だから、やめて??
『それに、アタシは二人が好きだよ??も、もちろん!!友達として!!』
完璧、アタシの片想いだけどさっ!!