ハーレムプリンセス
叫んだと思ったら、今度は電話越しにシクシク泣いている。
「な、何があったんだ??」
「俺…」
「うん」
「俺…」
「うん」
「俺…」
「早く言えよ!!」
コイツは焦らすのがお好きなようだ。
「俺…お嫁に行けないぃぃ!!!」
『……は??』
「何言ってんだ…??」
「頭大丈夫?」
…お嫁に行けない?
いやいやいや!!君、男だから!生まれた時から行けないの!!
本当に君は正真正銘の馬鹿なんじゃないのかい??…いや、まぁ、前からだけどさ。
お嫁さんとかシャレにならないよね…本当になりそうで。
心の底から病院に行くことをお勧めします……。
『…颯太さん…この声の大きさを聞いて、アタシ達はどのボリュームで話せばいいのかな??』
舜はかなりデカイ声で叫ぶから、ちょっと…いや!かなり迷惑。
そして、この子の将来が不安だよ。
一歩間違えてオカマの道を歩んだりしないだろうか。
ましてや、本当にお嫁としてバージンロードを歩いたりしないだろうか。
「…姫ちゃん…さっきは注意してごめんな?小声だったのに…」
『いや、しょうがないよ…誰にだって間違いはあるんだから』
「そうだよな…ありがとう姫ちゃん」
「お前ら俺の事は無視か!?放置プレイなのか!?」
電話越しにピーチクパーチクうるさい…。
「もう、めんどくせぇから来い!!電話越しで叫ばれても困る」
そう言って、一方的にぶち切りした。
それからというもの電話を切られた舜は、5分も経たずに来たのだった…。