愛玩子猫のしつけ方
「………聖女の教育実習生ってやっぱ美人??」
葉山くんはあっさり話題を切り替えてあたしと凛子に視線を向ける。
「大人な色っぽい感じの人だよ~。何かもうみんなに人気だったよねぇ?」
そう言って凛子を振り返れば……凛子は何だか眉間にシワを寄せている。
「……あたしはあの人嫌いだわ。何か胡散臭いのよね。」
「………胡散臭い??」
何でもはっきりした凛子だけど……初めて会った人に対してここまであからさまに言うのは初めてだから…あたしは少し驚いた。
「いいな~♪色っぽい先生~!咲学って先生すら女一人もいないしね……。」
葉山くんはそう言うとフ…と、遠い目をした。
咲学は有名進学校だし……徹底してそうだなぁ……。
でも、あたしは……
かっこいい由貴くんの近くにそんな女の人がいなくてホッとしていたり…………。
「………何にやけてんのよ?」
「…………っ!!」
ひぇ~っ!!
凛子の相変わらずに鋭い観察力に焦りつつ…あたしはそれをへらりと曖昧に笑ってごまかした。
「…………。」
「…………?」
凛子に……おまけに由貴くんまで、あたしを怪しんだ顔で見てたけど深くは追求して来なかったから、あたしはホッと胸を撫で下ろした。