愛玩子猫のしつけ方



パタパタ駆けていくと、みんなの注目を浴びて…気まずそうに眉間にシワを寄せる由貴くんが見えた。



不機嫌そうに見えるせいで、みんな気になってるのに怖くて声をかけられないのが見てわかった。



でも、あたしにはちょっとわかる。



由貴くん……実はすっごく困ってる?
怒ったような顔してるけど、きっとどうしたらいいか解らないんじゃないかな?



だってさ……、ただでさえ女子校の前で男の子が立ってたら目立つのに……。そういうの絶対苦手そうなのに……。



わざわざあたしを待っててくれる優しい人がそんなことで怒らないよ……!




「………由貴くん……っ!!」


「………!」







だってほら……。


あたしを見て、ちょっとだけ安心した顔で笑ってるもんねっ。






< 12 / 283 >

この作品をシェア

pagetop