愛玩子猫のしつけ方
由貴くんはほんとにわかんないって感じで戸惑ってた。
意外と鈍いのかなぁ…?
なんか、自分がちょーモテるなんて知らないみたいな感じ………。
そんな由貴くんはあたしをじっと見つめて
「にこちゃんのほうが有名人なんだよ」
ぽつりとそんなことを言った。
「あたしっ!?なんで…っ」
当然、あたしはめちゃくちゃ慌てる。
なんで…!?なんかやらかした…っ!?
必死に自分がした失敗の数々に頭をひねる。
「……うちの学校で知らないヤツいないから。」
「………っ!!」
そ…っ、そんなに……!!?
「あ…、あたしどんなことしたの…っ!?」
思わず青くなって、由貴くんの腕にしがみつく。
「……どんなこと…って??」
あたしは涙目で由貴くんを見上げた。
「だ…、だって友達にも、いっつも鈍いトロいって言われんだよ~っ。そっちでは何て言われてんの……っ」
情けない気持ちで由貴くんの腕にしがみついたまま必死で聞いた。
「………く…っ…」
「………へ?」