愛玩子猫のしつけ方
「…………由貴くん………。」
「…………!」
変に不安に襲われていた俺は、にこちゃんの声にハッとして顔を上げた。
俺の服の裾をぎゅっと握りしめたにこちゃんは………
「~~~っ……うぅー………っ…」
「………にこちゃ………」
さっきまで笑顔だった彼女は……まるで、耐えられなくなったかのように、大きな瞳からぼろぼろと涙をこぼして泣き出した…………。
「………こあかったよぉ……!!」
「…………!!」
そう言って泣く彼女をかき抱くようにして抱き締めた。
「ゆきく…っ、由貴くん~~…っ!………も、もっと…!ぎゅうてして………!!」
「………っ!………大丈夫……。ちゃんと、ここにいる………。」
言えば………必死にこくこくと頷いて、また俺の胸に顔を埋める。
「………友達…っ…あたしの友達も…っ!こんなに怖かったのに………!……………くやしいよぅ………!」
「………!…………うん……。」
小さな身体を抱き締めて……それだけしか言ってやれない自分が……俺も、悔しかった。
だけど、ただひたすら思うのは…………
何より大切な君が
「…………無事でよかった…………!」
「………由貴くん……………!」