愛玩子猫のしつけ方
そして…………あたしの気持ちとは裏腹に…………
何かを決意した由貴くんは…静かに話し始めた…………………。
「…………にこちゃんも言ってた………進路の話…………。」
「………。」
あたしはドキドキと苦しいくらいにざわめく胸を抑えながら、ただひとつ頷いた。
「…………俺の両親…ほとんど留守だろ…?」
「…………うん。」
由貴くんと付き合ってから…もう一年になるけど、ご両親はいつも留守がちでいなかった。
「………俺の家、弁護士一家だから……。両親それぞれ事務所開いてて、父親の方の事務所を兄貴に…母親の方の事務所を、俺に継がせるつもりでいるんだ。」
「………そう…だったんだ………。」
それが由貴くん家が留守がちな理由だったんだ……。
どちらの事務所も人気の弁護士事務所で……共に仕事に意欲的な由貴くんのご両親は、常に依頼を受けているような状態なんだと…由貴くんは言った。
お兄さんがいたのも知らなかった。
お兄さんはすでにお父さんの事務所を手伝ってるとかで……両親と変わらず忙しいらしい。