愛玩子猫のしつけ方




「………長々と立ち話もなんだから………私の事務所この近くなの!よかったら、お茶でもどうかしら?」



「いいんですか……?」



にっこりと、大歓迎よ!と言われ………



あたしはエリさんの法律事務所にお邪魔させてもらうことになったのです……!







《橘エリ法律事務所》



初めて来た由貴くんママの法律事務所は、大きなビルの一室で……オシャレで広くて綺麗だった。



「少し前に移転したばかりだから……私の事務所はまだそこそこ新しいのよ~。」



にこにこと笑いながら、エリさんはあたしに紅茶を出してくれた。



「ありがとうございます!いい匂いー…。」



ダージリンのいい香りが……部屋にふわんと漂った。



「生憎と今日は誰もいないから……私の紅茶で申し訳ないんだけどね?」



「とんでもないですよっ。」



茶目っ気たっぷりにそんなことを言うエリさんにぶんぶんと首を振って笑った。



当然に美味しかった紅茶をすすりながら、初めて入った弁護士さんの職場に………あたしはキョロキョロと落ち着きなく視線を移した。






――――ブーブーブー……!



「………!?」



いきなり鳴り出したバイブ音に思わずビクリと肩が震えた。



「………!いけないっ!ちょっとごめんなさいね……!」



「……いえっ…お構い無く!」



それはエリさんのケータイの着信で…エリさんはあたしに謝ると慌ててケータイを手にした。








< 210 / 283 >

この作品をシェア

pagetop