愛玩子猫のしつけ方
「………!!………由貴くん……!」
それは、あたしがずっと聞きたかった声で………
思わず興奮に大きな声が出た。
『………うん。にこちゃん………。』
「………っ!」
名前を呼ばれただけで息がつまりそうなくらい嬉しかった。
「………どうして…っ!?……電話なんて…っ!」
あたしの言葉に由貴くんは………
『メールだけじゃ、もう限界………。』
声が聞きたかった……そうつぶやくように由貴くんは言った。
「………っ。」
思わず口を手で押さえて、漏れそうになる嗚咽を抑えた。
だけど、目には堪えきれなくなった涙が溢れてしまった。
『………俺は限界なんだけど……にこちゃんは?』
探るように言われたそれに、心臓が跳ねる。
泣いてるのは気づかれてないはず……なんとか呼吸を整えて……
「………あたしは………っ」
大丈夫。………そう続けるはずだったのに……
『………俺は、凛子さんに張り合える程度には…にこちゃんのこと……知ってるよ?』
「………!?」
だから、無駄な抵抗はやめろとでも言いたげなセリフだった………。
『………それで?……俺に言いたいことは?』
そんなの…………ずるいよ………。