愛玩子猫のしつけ方
■それから2年後
――――2年後。
あたしの胸には………
《弁護士記章》…いわゆる、弁護士バッジが輝いていた。
一年前…司法試験に奇跡の合格をして、すべての司法修習を終えて………考試(法律家になるための最後の試験)に合格することが出来た。
弁護士会への登録も終わって………
あたしは正真正銘の、《弁護士》に、なったんです………!!
新米弁護士のあたしは相変わらず、エリ先生にしごかれながら勉強の毎日だ。
まだまだ簡単な案件の民事事件しか扱ったことはありません。
だけど、確実に、あたしは弁護士として歩きはじめたの………!
「…………百瀬先生!」
自分を呼ぶ声に足を止めた。
先生…なんて言われるのはまだまだ慣れなくて、照れくさい。
ちょっと照れつつ、振り返ると………
「………西田(ニシダ)さん。お久しぶりですね。」
「………覚えててくれたんですかっ!?感激だなぁ!」
西田さんは、あたしの5歳年上で……玲さんの知り合いの弁護士だ。
この前たまたま玲さんといる時に会って、ほかには一度も面識はない。
あの時……妙に馴れ馴れしいこの人に、やたら玲さんが警戒してたような気がするんだけど…………
あまり仲良くないのかな………?
なんて思ってたんだよね…………。