愛玩子猫のしつけ方
「…………あんた、この時を待ってたわね……?」
じろりとつり目がちな瞳を煌めかせ俺を睨む。
「…………俺の最大のライバルは、間違いなく凛子さんだから………。」
「………よくわかってるじゃないの。」
フフン…と笑って、俺を見る。
「…………だけど、もう俺が貰う。」
「………!」
どれだけ………待ったと思う……?
いい加減、限界なんだ。
もう………誰にだってやりたくない。
たとえ、それが彼女の親友だとしても。
「……………だから、凛子さんにはうちのバカ犬をやる。」
「…………な…っ!?」
その言葉にさすがの凛子さんが初めて動揺の声をあげた。
今までぼんやり俺と凛子さんの掛け合いを聞いていた瑠威の肩がピクリと反応する。
にこちゃんに聞いていたし……二人のことは多少なり知ってる。
「瑠威………親友の為にも、いい加減はっきりしろよ……?」
「………っ!!」
ニヤリと流し見てやれば、瑠威はぐっと口を引き結んだ。