愛玩子猫のしつけ方
「ほらぁ~!にこちゃんも楽しそうだろっ」
何だか得意気に葉山くんは由貴くんを見る。
「………っ」
由貴くんはどこか悔しそうなんだけど……。
いやいや。
あたしは由貴くんの知らない顔が見れたのがうれしいだけなんだよ~??
……でも、なんか面白いから言わな~いっ!
思わずにひっと笑うと、目敏い由貴くんが怪訝な顔をした。
やばい、やばい…っ。
あたしは目線をフイっとそらして知らんぷり。
「………。」
見てる、見てるよ~っ!
うひゃーっと慌てていたら……
「……何か喉渇いたなぁ~…。由貴ちゃん!じゃんけんぽん…っ!!」
「………!?」
勢いに出されたのは……葉山くんがパーで、由貴くんがグー…。
「はい!由貴ちゃんパシリけって~いっ。俺コーラね!」
「………。」
由貴くんは納得いかないって顔をしたけど財布を取り出してあたしの方に振り返る。
「にこちゃん何がいい?」
「……えっ!?いっ、いいよ…!」
あたしは申し訳なくて顔の前で手をぶんぶん振った。
「いーの、いーの!由貴ちゃん負けだから~♪あっちの公園にいるからね~!」
「えっ!えぇっ!?」
「………。」
完璧な葉山くんペースで……あたしはズルズルと目の前にある公園に連れて行かれてしまった。
「……ゆ、由貴く~~ん…っ」