愛玩子猫のしつけ方
由貴くんまだかなぁ……。
あたしはちょっと心細くなって、公園の入り口に目を向ける。
その先にも…由貴くんが来る気配はなかった。
「あ…!にこちゃん、睫毛…ついてるよ?」
急に顔を指差されて、あたしはびっくりして睫毛を取ろうとぺたぺた触る。
「ど、どこ?とれた??」
あたしの問いかけに葉山くんはニヤと笑うと
「ん~…。全然とれてない。……とってあげるよ?はい、目…閉じて……」
あたしは葉山くんに言われた通りにぱちりと目を閉じた。
「………にこちゃん……」
何だかだんだんと葉山くんが近づいて来るような気配が………??
次の瞬間――。
―――ペチッ!
「………!?」
あたしのおでこに鈍い音。
びっくりして目を開けると……
困った顔をした葉山くんがあたしのおでこに手を当てていた。
「……睫毛とれた??……てか、なんであたしぶたれたの??」
訳がわかんなくて聞くと葉山くんはバツの悪い顔をして頭をかいた。
「………うそ。睫毛なんかついてないよ。」
「……!?なんでぇ…?そんなうそ…っ」
びっくりしたあたしは葉山くんを凝視した。
葉山くんはいきなりガバッと頭を下げて…!
「………ごめんね…っ!!俺、由貴ちゃんが心配で……っ」
「………はい??」