愛玩子猫のしつけ方
「だいたい、あたしモテたためしないし…。告白してくれたのも由貴くんが初めてだよ……」
とりあえずその、すげぇモテる…を訂正してもらおうと、恥ずかしさを押しやってそう言うと
「……マジ!?なにそれ…完璧、俺の勘違いじゃ~ん…」
がくぅっと肩を落として…葉山くんは力なくつぶやいた。
「……なにその天然記念物っぷり~…。由貴ちゃんみてぇじゃん…」
「由貴くん??」
その名前にあたしはピクリと反応する。
「……あの人超モテるんだけど…超鈍いんだよね~…。あんま女の子にも興味なさそうだし。見た目ちっとこえーから迂闊に声もかけらんないから……あれでキミ…初彼女だよ?」
ニヤリと笑う葉山くん。
「………っ!」
初彼女……っ、なんて素敵な響き……っ!
すごい、すごい…!
由貴くんが初めての彼女にあたしを選んでくれてたなんて……!!
嬉しくてあたしは天にも昇りそうな気持ちだ。
思わず自分の世界に入ってしまう。
「……なんかー…、にこちゃんて、由貴ちゃんのこと超好きだよね~?」