愛玩子猫のしつけ方



「にこちゃん見ると、元気になるから……。楽しそうに、一生懸命頑張ってて。俺もいつの間にかあそこに行ったらにこちゃん探すようになってた。」


「………!」


由貴くんはぽつりぽつりとあたしに話してくれた。


こんな話しをしてくれたのは初めてで……あたしはただ黙って由貴くんの話しを聞いた。


それは…あたしがずっと知りたかった…あたしに告白してくれた理由。


「……ただ見てるだけでも癒されて…嬉しかった。……でも、先輩達の話しを聞いたんだ。にこちゃんを手に入れるって……それがめちゃくちゃムカついて…」


気がついたらコンビニまで来て…あたしに告白してくれたのだと言った。


「結構前から知ってたよ。いつも友達に囲まれてて…明るい笑顔で……。気になってた……。あの子といたら、楽しいだろうなって…」


「………っ」


びっくりした……。


由貴くんが、ずっとあたしを見ててくれてたなんて……。



「……知らなかった……。」






< 52 / 283 >

この作品をシェア

pagetop